時計はどうやって作るの?時計の歴史とその仕組みを学ぼう!
昔から人間が時刻を把握するために使用してきた時計がどのような変遷を辿ってきたのか、その作り方、歴史と時計の仕組みを見ていきましょう。
日時計~人類初の時計~
時刻を知るために最初に作られたものが日時計でした。紀元前3500年に作られたとされる日時計がエジプトで発見されていますが、日時計の起源はもっと前にあるだろうと言われています。日時計は太陽を利用しています。地面に棒を立て、太陽によってできた影の位置で時刻を把握したのが始まりでした。エジプトでは日時計から午前と午後のみならず、季節までも把握していたとされています。しかし日時計は雨や曇りなど太陽が出ない時は時刻を把握できないという欠点がありました。
水時計~天気に影響されない時計~
そこで次に水時計が発明されました。最古のものとされる水時計は紀元前1500年頃にエジプトで作られたと考えられています。水時計は水の流動性を利用したものでした。底に穴の開いた容器に水を入れ、その穴から水が流れていく原理を利用し、容器の内側に目盛りを付けて水面の高さで時刻を把握したのです。しかし水はこぼれたり蒸発したりするし、水かさが減るにつれ水が流れる速度が遅くなり正確な時刻が把握できなかったのです。
出典:wiki
砂時計~持ち運べて繰り返し使える時計~
そこで次に発明されたのが砂時計でした。砂時計もエジプトで作られたとされていて、その原理は前代と同じでした。二つの容器を細い管で繋ぎ、その管を通って砂が落ちることで時間を計っていました。水のようにこぼれることもなく、また砂が落ちる速度も一定だったためより水時計より正確に時間を計れました。
View this post on InstagramA post shared by Lapin 幸せの宝石箱 (@lapin.official2018) on Jan 31, 2020 at 12:17am PST
燃焼時計~一定の速度で燃える仕組みを利用した時計~
その後、次に新たな仕組みを利用した時計が燃焼時計でした。発明された時期は分かっていませんが、6世紀に中国で使用していたとされる文献が発見されています。燃焼時計は、物がほぼ一定の速さで燃える仕組みを利用したものでした。燃えた量や燃え残った量から、火をつけてからどのくらい時間が経ったのかを把握していました。燃料時計の燃料にはロウソクやランプの油、お香が使われていました。
出典:https://museum.seiko.co.jp/
時計のすべての始まりは日時計
時計は太陽によってできる影であったり穴から流れ落ちる水であったりと、日々の生活において気にも留めないような原理を利用することから時計の歴史は始まりました。時計の針は右回りですが、それは日時計を発明したエジプトが北半球に位置し、太陽によってできた影が右回りであったからと言われています。時計のすべての始まりが日時計であり、そしてその歴史が5000年以上も前から始まっているということがとても感慨深いものです。
現代の時計
時計には普段持ち歩いて使用する腕時計と懐中時計や、目覚ましなどで利用する置時計に加えて家の壁などに取り付ける壁掛け時計など、さまざまな形の時計があります。またその動かし方も手巻きと自動巻きのゼンマイ駆動と、電池を内蔵して水晶振動子で動くクオーツ式時計など、駆動方式もさまざまです。ここでは液晶画面と電子回路のみで動く時計を除いた、機械式時計についてその仕組みを簡単に説明します。
機械式時計はゼンマイで動いている
手巻き式でも自動巻き式でも、機械式時計はゼンマイによって動いています。子どもの玩具の中にはゼンマイを手で巻いて、それによってタイヤが動いて走る車や、スクリューを動かして推進する船などがあります。これはゼンマイを巻いた後の戻る力を利用し、それを玩具の車や船を推進する駆動部に伝えて動かします。ゼンマイはゼンマイバネといい、弾性力を高めて薄く延ばした金属素材を渦巻状にしたのもです。これを巻いて、巻かれた渦巻きが元に戻る際の力を動力源として利用したのがゼンマイバネです。機械式時計の駆動原理が、まさにこれです。
ゼンマイを巻く仕組みとは
ゼンマイの巻き方には手巻き式と自動巻き式がありますが、手巻き式ではリューズ(竜頭)が必要で、これはネジになっていて、回すとネジ山が歯車の役目を果たしてゼンマイを巻きます。一方自動巻きでは、リューズを用いて手でゼンマイを巻く代わりに、腕の動きに合わせて時計に内蔵されているローターが回転し、それが歯車を介して伝達されゼンマイを自動的に巻き上げます。これらがゼンマイを巻く仕組みです。
ゼンマイの駆動を針に伝える歯車の連結構造とは
ゼンマイの駆動力は、連結した歯車によって時分秒針軸に伝えられ、私たちは針の動きとして見ることができ、そして時間を知ることができます。ゼンマイは手巻き式の場合はリューズで巻き、自動巻き式では内臓ローターでリューズと同様にゼンマイを巻きます。そのゼンマイが格納されている部分を香箱車といい、こうばこぐるまと読みます。1番車にあたる香箱車の外縁自体が歯車になっていて、リューズのネジの回転を直接受けて香箱車が回る仕組みです。巻いたゼンマイの戻る力を、まず香箱車の歯車と噛み合っている分針が付いた2番車に伝えます。秒針は4番車に付いていて、2番車の回転を4番車に伝える繋ぎ役が3番車です。ここで足りないのが時針ですが、時針は1時間に12分の1だけ回転するので、分針が付いている2番車の軸にカナという減速用の歯車を取り付け、カナから隣の歯車を動かして時針軸を動かします。
あわせて読みたい記事:
腕時計の豆知識:クロノメーターとは?クロノメーター認定時計7選!
腕時計の豆知識:クロノグラフとは?人気なクロノグラフモデル5選!
クォーツとは?高い精度が魅力的!クォーツ時計オススメ10選!