ロレックス GMTマスターII:時代を超えたパイロット向けの腕時計
ロレックスの腕時計は、求められる機能に応じて細かく種類がわかれています。ロレックス GMTマスターIIは、元々パイロット向けに製造されました。2つのタイムゾーンを表示させることができるので、現在ではパイロットだけでなく世界を飛び回るビジネスマンや海外旅行の好きな方などに好まれている腕時計です。
ロレックス GMTマスターIIは、製造が開始された時期によってムーブメントやブレスレットの種類も異なります。事前に特徴を理解しておきましょう。
【ロレックス GMTマスターIIの特徴】
ロレックス GMTマスターは、1955年にパイロットの要望に応える形で開発されました。GMTマスターシリーズは、初代より2カ所の時間が同時にわかる仕組みになっています。時針・分針・秒針に加えて、24時間針と24時間目盛が記載されたベゼルがあるので、2カ所の時間を同時に表示させることが可能になります。更に3時の位置には、日付が表示されるようになっています。
その後、ロレックス GMTマスターは、GMTマスターIIに名称が変更されて更に改良が繰り替えされました。特に24時間目盛りが記載されたセラクロムベゼルは、とても硬い素材に数字と目盛りを刻印しています。更にプラチナや18ctゴールドの薄い膜で素材を覆っています。特殊な加工が施されたベゼルは傷がつきにくく、紫外線による影響も少なくなっています。
2018年から製造開始されたGMTマスターIIは、ムーブメントやブレスレットが大きく変化しました。内蔵されているムーブメントが3186から3285に変化したので、パワーリザーブが48時間から70時間に延長しました。新しくなったGMTマスターIIの中には、ブレスレットに5連リンクが採用されたのもありました。
GMTマスターIIは、製造年によって大きくデザインや機能が異なります。選ぶ際は製造年の違いにも注目することをオススメします。
【ロレックス GMTマスターIIで2色使用されているタイプ】
実用性の高いロレックス GMTマスターIIは、デザイン性が高いことでも知られています。ベゼルに2色使用しているタイプが多いのが理由になります。ロレックス GMTマスターIIの中でも2色使用されているタイプに注目をしてみましょう。
GMTマスターII 116719BLRO
・直径:40mm
・ムーブメント:自動巻き式(3186)
・パワーリザーブ:48時間
・防水:100m
2014年頃から製造開始された116719BLROのベゼルは、上半分が青色で下半分が赤色になっています。青は夜間で赤は昼間を意識しています。「ペプシ」と呼ばれるこのカラーリングは、1955年から取り入れられてきました。ダイアルは、ブラックでインデックスは暗いところで光るタイプです。インデックスと針の縁取りは、銀色になっています。ベゼルに刻印されている数字も白色です。ブレスレットの形状は、3連リンクで18ctホワイトゴールドが使用されています。18ctホワイトゴールドが使用されるとオイスタースチールとは、また違った輝きを見せてくれます。全体的に白が基調となっているので、青と赤のベゼルがより際立ちます。
GMTマスターII 126710BLRO
・直径:40mm
・ムーブメント:自動巻き式(3285)
・パワーリザーブ:70時間
・防水:100m
2018年頃から製造された126710BLROのベゼルは上半分が青で下半分が赤となっています。青と赤のカラーリングは、1955年に発売されたときから取り入れてきました。青は夜間で赤は昼間をイメージしており、「ペプシ」と呼ばれています。ブレスレットは、航空産業でも利用されることの多いオイスタースチール製です。
ブレスレットには、ジュビリー(5連リンク)を採用しています。コマの数が増えると一層腕になじみやすくなります。金属製のブレスレットの場合、コマの数が増えると長さが調節しにくくなるという欠点があります。長さを調節するコマ同士をつなぐ金具を一度外して、コマの数を調節しなければなりません。ロレックス GMTマスターIIのブレスレットは、コマを外さなくても5mm程なら長さの調節が可能となっています。
ダイアルは、ブラックでインデックスは暗い所で光り輝くタイプになります。GMTマスターIIは、2018年からムーブメントの型番が3285に変更となりました。これまでのとの主な変更点は、パワーリザーブが70時間ほどに延長されました。この変更により、より一層使いやすい腕時計になっています。
GMTマスターII 116710BLNR
・直径:40mm
・ムーブメント:自動巻き式(3186)
・パワーリザーブ:48時間
・防水:100m
2013年頃から製造開始された116710BLNRのベゼルは、セラミック製の24時間回転ベゼルです。ベゼルの上半分は黒色で、下半分は青色と2色使用されているので、「バットマン」と呼ばれるカラーリングになっています。ベゼルに彫刻された数字は、白色です。ブレスレットはスチール製の3連タイプがあります。
丈夫な印象が強いですが、コマが外しやすいので長さの調節もしやすくなっています。インデックスと針は暗いところで青白く光るタイプを使用しています。
GMTマスターII 126711CHNR
・直径
・ムーブメント:自動巻き式(3285)
・パワーリザーブ:70時間
・防水:100m
126711CHNRのベゼルは、上半分が黒で下半分が茶色になっています。ベゼルのエッジ部分も赤みを帯びた茶色になっているので、2色でも落ち着いた印象になります。ケース・ブレスレットは、エバーローズロレゾール製になります。ロレゾールとは、銀色に輝くオイスタースチールと赤みを帯びた18ctエバーローズゴールドを組み合わせた素材のことです。
ブレスレットの形状は、3連リンクとなっています。両端が、オイスタースチールで中心部分がエバーローズゴールドです。銀色に赤みを帯びた金のラインが入ったデザインとなっています。ダイアルはブラックで、インデックスは暗い所で光り輝くタイプです。針・インデックスは、赤みを帯びたゴールドで縁取りされています。
126711CHNRは、2018年から製造開始されたタイプなので、パワーリザーブが70時間ほどになっています。
【ロレックス GMTマスターII コークの紹介】
ロレックス GMTマスターIIの中には、ベゼルに使用されている色がブラック1色だけのものもあります。ベゼルがブラック1色の場合は、「コーク」と呼ばれることが多くなっています。ここでは、「コーク」と呼ばれているGMTマスターIIをいくつか紹介します。
GMTマスターII 116710LN
・直径:40mm
・ムーブメント:自動巻き式(3186)
・パワーリザーブ:48時間
・防水:100m
2007年頃から製造開始された116710LNのセラミック製24時間回転ベゼルは、ブラック1色となっています。ブレスレットは、スチール製の3連タイプになっているので、フォーマルな場面でも安心して使用できます。インデックスは、やや大きめで針とインデックスは暗いところで光る仕組みになっています。インデックスや針は、銀色で縁取られています。ダイアルもブラックなので、使用されているのは、「白」「黒」「銀色」ばかりです。使われている色が少ない分、とても落ち着いた印象になっています。
GMTマスターII 116713LN
・直径:40mm
・ムーブメント:自動巻き式(3186)
・パワーリザーブ:48時間
・防水:100m
2006年頃に製造開始された116713LNのベゼルとダイアルは、ブラック1色です。針とインデックス部分は金色で縁取りされています。ベゼルに刻印された数字とベゼルのエッジ部分は金色です。黒と金色というシンプルなデザインが高級感を表現しています。ブレスレットは、イエローロレゾール製です。オイスタースチールと18ctイエローゴールドを組み合わせています。銀色と金色の組み合わせは、一見派手なイメージもありますが、銀色のオイスタースチールに金色のイエローゴールドが映えます。
GMTマスターII 116718LN
・直径:40mm
・ムーブメント:自動巻き式(3186)
・パワーリザーブ:48時間
・防水:100m
2005年頃に製造開始された116718LNのベゼルとダイアルはブラックです。ベゼルのエッジ部分とベゼルに刻印された目盛りをはじめインデックスや針の縁取りは金色になっています。ベゼルとダイアルがブラックなので、金色の部分が目立ちます。ブレスレットの形状は、3連リンクで、18ctイエローゴールド製です。
116718LNは、使用している色の数が少ないので地味に感じます。実際は、金色が一層際立つデザインになっています。
まとめ
ロレックス GMTマスターIIのデザインは、ベゼルの色によって大きく変わります。特に2色使用のタイプと1色のタイプでは、印象が違います。GMTマスターIIは、製造年によってカラーリングや構造が大きく変化します。製造年によって、ベゼルに刻印された目盛りのデザインやインデックスの大きさが異なる仕様になっています。GMTマスターIIを選ぶときは、デザインだけで決めるのではなく、製造年やムーブメントに注目することをオススメします。