時計の内側もデザインの一部 スケルトン腕時計おすすめ8選
腕時計の性能は、ムーブメントによって変わります。ゼンマイで動く機械式時計は、デザインも多いので人気が高くなっています。機械式時計の魅力のひとつが、歯車やゼンマイが生み出す独特なデザインです。今回は、ムーブメントが表側から楽しめる文字盤がスケルトンの腕時計を紹介していきます。
【腕時計はムーブメントに注目!】
腕時計を選ぶときに注目したいのが、動力源になるムーブメントです。ムーブメントの種類によって精度や動く時間が異なります。ゼンマイと歯車で動く機械式ムーブメントには、電池で動くムーブメントにはない魅力も多くあります。ここでは、ムーブメントの違いに注目してください。
■機械式ムーブメントとは?クォーツ式との違い
腕時計のムーブメントは、クォーツ式と機械式にわかれます。クォーツ式は電池が動力源で、機械式はゼンマイが動力源です。クォーツ式は、クォーツ(水晶)に電気を与えておきた振動をIC(集積回路)が電気信号に変換してステップモーターを動かします。振動数が多いので時間がずれにくいです。機械式は、香箱車(一番車)に入っているゼンマイを巻くとゼンマイが戻ろうとする力が、二番車・三番車・四番車といった歯車に伝わっていくことで針が動きます。
一定のスピードでゼンマイが下に戻るように調整するパーツが「テンプ」「ガンキ車」「アンクル」になります。機械式は定期的に分解修理をすることで、長期間使用が可能です。クォーツ式に比べて針を動かす力も強いので、クロノグラフ機能など複雑な仕組みを取り入れたものが多くあります。
■ゼンマイを回す快感!手巻き式時計の魅力
手巻き式は、リューズを使って自分でゼンマイを巻きあげる必要があります。定期的にゼンマイを巻く必要があるので、自然に愛着が湧くと思います。カチカチとゼンマイを巻く音は、手巻き式の方が大きいといわれています。自動巻き式に比べるとパーツ数が少ないので、コストが抑えられるのも魅力のひとつです。
■ゼンマイが自動で巻かれる!自動巻式時計の魅力
自動巻き式時計は、ムーブメントに搭載されたローター(回転錘)が重力にひかれて回転するとゼンマイが自動で巻かれます。腕につけているときは、安定してゼンマイがまかれるので精度も高くなります。自動巻きムーブメントは、多くのブランドで採用しています。ローターが搭載されているため、少し厚くなるのがデメリットです。
【汎用ムーブメントと自社ムーブメントの違いは?それぞれのメリット】
スイスの時計業界では、古くからエタブリスール(分業体制)が採用されてきました。ムーブメントや部品の製造を他のメーカーから仕入れることで、お互いに得意分野を活性化させています。エタブリスールとマニュファクチュール(自社一貫生産)で、腕時計の価格に違いがでます。ここでは、汎用ムーブメントと自社ムーブメントの違いに注目していきます。
■汎用ムーブメントとは?
汎用ムーブメントを製造しているのは、ムーブメントの製造を専門としているメーカーです。低コストで大量に製造する汎用ムーブメントを採用したモデルは、コストパフォーマンスが高くなります。パーツが入手しやすく修理がスムーズにおこなえるのも大きな魅力です。一方、針の位置などは決まっているので、オリジナリティに欠けるのがデメリットになります。
■汎用ムーブメントと言えばETA社とセリタ社
出典:ETA Official Facebook
汎用ムーブメントを、主に製造しているのがETA社です。ETA社はスイスのムーブメントメーカーが集まって作られた企業で、現在はスウォッチ・グループの傘下に入ってい
ます。ETA社のムーブメントは、コストパフォーマンスが高いのが魅力になります。パーツも手に入りやすいので修理もスムーズになります。
一時はETA社途中まで作った「半完成ムーブメント」を各ブランドが購入して、独自に組み上げることも少なくありませんでした。
2010年にETA社はグループ外への出荷を制限したときに、半完成ムーブメントのグループ外出荷を停止しました。
セリタ社は、元々ETA社の下請け会社でした。2010年にETA社が出荷制限を発表したことを受けてムーブメントの独自製造を発表したことで注目を集めています。
■自社ムーブメントに注目!
時計業界のでは、自社でムーブメントを製造する企業が増えています。ETA社が、ムーブメントの出荷制限を発表したのもひとつのきっかけになったといえます。
自社ムーブメントは、機構や装飾がブランドによって異なります。生産数が限られているので、価格は高くなる傾向があります。
【ムーブメントの動きが楽しめる!フルスケルトンな文字盤の腕時計8選】
機械式ムーブメントは、歯車やゼンマイの動きが楽しめます。裏側からムーブメントが見えるシースルーバック構造を取り入れたモデルも多くあります。ここでは、フルスケルトン文字盤を取り入れたモデルを紹介していきます。表側からもムーブメントの動きを楽しんでください。
■ゼニス デファイ エル・プリメロ 21 95.9000.9004/78.R582
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ゼニス デファイ エル・プリメロ 21 95.9000.9004/78.R582の仕様:
直径:44mm
ムーブメント:自動巻き(キャリバー エル・プリメロ9004)
パワーリザーブ:約50時間
防水:10気圧(100m)
他のブランドのムーブメントは毎時28,800振動ですが、1969年に誕生したゼニスのエル・プリメロは毎時36,000振動です。精度が高いので、ロレックスやパネライ等も採用していました。エル・プリメロは自動巻きクロノグラフムーブメントで、100分の1秒単位で計測が可能です。3時の位置にある30分カウンターの部分はブルーで、6時の位置にある60秒カウンターの部分はブラックが使われています。
シルバーのケースは、チタン製です。ブラックのアリゲーターレザーとラバーを組み合わせたストラップは、汗にも強くなっています。
■ゼニス デファイ エル プリメロ 21 95.9002.9004/78.R584
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ゼニス デファイ エル プリメロ 21 95.9002.9004/78.R584の仕様:
直径:44mm
ムーブメント:自動巻き(キャリバー エル・プリメロ9004)
パワーリザーブ:約50時間
防水:10気圧(100m)
ムーブメントにブルーのパーツが使われていたモデルです。ケースの裏側から見えるローターは、ブルーの星がデザインされています。ケースは、シルバーのチタン製です。ブルーのアリゲーターレザーとブラックラバーを組み合わせて、明るい印象を与えています。
■ゼニス デファイ クラシック 95.9000.670/78.M9000
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ゼニス デファイ クラシック 95.9000.670/78.M9000の仕様:
直径:41mm
ムーブメント:自動巻き(キャリバー エリート670SK)
パワーリザーブ:約50時間
防水:10気圧(100m)
エリートは、1994年に誕生した超薄型のムーブメントです。2018年にクラシックで初めてフルスケルトンモデルが発表されました。日付が表示されるのは、6時の位置です。ムーブメントは、ゼニスのロゴマークである星をイメージしたデザインがされています。
■タグ・ホイヤー カレラ CBG2016.FT6143
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タグ・ホイヤー カレラ CBG2016.FT6143の仕様:
直径:43mm
ムーブメント:自動巻き(キャリバー ホイヤー02)
パワーリザーブ:約80時間
防水:10気圧(100m)
タグ・ホイヤーは、2010年にセイコーのムーブメントを参考に自社ムーブメントの製造を始めました。ホイヤー02は、2017年に誕生したムーブメントで価格が抑えられています。
搭載されている機能は、4分の1秒単位で計測できるクロノグラフ機能の他に30分計と12時間計です。ブラックのカーボン製ベゼルには、速度計測に便利なタキメーターがついています。ケースは、ステンレススチールとブラックのカーボンを組み合わせたものです。ストラップには、汗に強いブラックのカバーが使われています。
■タグ・ホイヤー カレラ CBG2010.BA0662
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タグ・ホイヤー カレラ CBG2010.BA0662の仕様:
直径:43mm
ムーブメント:自動巻き(キャリバー ホイヤー02)
パワーリザーブ:約80時間
防水:10気圧(100m)
搭載されている機能は、4分の1秒単位で計測できるクロノグラフ機能や30分計と12時間計です。日付が表示されているのは、4時と5時の間の部分になります。ブラックのセラミック製ベゼルにはタキメーターが搭載されています。
ケースとブレスレットは、ステンレススチールとセラミックを組み合わせた素材です。ケース裏側から見えるムーブメントには、タグ・ホイヤーのロゴマークが印字されています。
■ウブロ ビッグ・バン ウニコ ブラックマジック 441.CI.1170.RX
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ウブロ ビッグ・バン ウニコ ブラックマジック 441.CI.1170.RXの仕様:
直径:42mm
ムーブメント:自動巻き(キャリバー HUB1280)
パワーリザーブ:約72時間
防水:10気圧(100m)
ウブロのムーブメントは、クロノグラフを制御するコラムホイール機構が文字盤側に付属しているのが大きな特徴です。計測中に4時の位置についているプッシュボタンを押すと瞬時にリセットできます。その後、再計測ができるフライバッククロノグラフを搭載したムーブメントも多くみられます。ビス留めされたケースは、ブラックセラミック製です。ブラックラバーのストラップもスポーティな印象を強めています。
■ハミルトン ベンチュラ エルヴィス80 スケルトン オート H24555181
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ハミルトン ベンチュラ エルヴィス80 スケルトン オート H24555181の仕様:
ケースサイズ:42.5mm×44.6mm
ムーブメント:自動巻き(キャリバー H-10-S)
パワーリザーブ:約80時間
防水:5気圧(50m)
ベンチュラは、1957年に世界初の電池式時計として誕生しました。H2455181は、エルヴィス・プレスリーの生誕80周年を記念して作られたモデルです。ハミルトンは、2011年からETA社と共同で自社ムーブメントの開発を始めました。使われているムーブメントは、装飾にこだわったデザインになっています。
ハミルトンが担当しているのは、スウォッチ・グループの中でも比較的安価な「ミドルレンジ」です。高いコストパフォーマンスも魅力のひとつになります。
■ティソ T-コンプリカシオン スケレッテ T070.405.16.411.00
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ティソ T-コンプリカシオン スケレッテ T070.405.16.411.00の仕様:
直径:43mm
ムーブメント:手巻き(キャリバー ETA6497)
パワーリザーブ:約46時間
防水:5気圧(50m)
ティソT-コンプリカシオン スケレッテは、車輪からインスピレーションを受けたデザインが特徴的です。ゴールドの歯車やゼンマイがアクセントになっています。採用しているムーブメントは、ETA社の手巻き式ムーブメントです。汎用ムーブメントを使うことで、価格を抑えています。
ケースは、シルバーのステンレススチール製です。ブラックの牛革ストラップは、落ち着いた印象を与えます。
【まとめ】
今回は、ムーブメントの種類とフルスケルトンの文字盤を採用したモデルを紹介しました。フルスケルトンの文字盤は、ゼンマイや歯車の動きを表側から楽しむことができます。
ムーブメントのデザインや機能は、ブランドによって異なります。腕時計を選ぶときは、ムーブメントにも注目することをオススメします。
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