初心者必見!腕時計のムーブメントの種類まとめ
腕時計の中枢とも言えるムーブメントには、多くの時計コレクターが購入を決める上で重要な役割を持っている。主に機械式とクオーツ式の2種類がありますが、近年ではスプリングドライブ、ソーラームーブメント、オートクオーツなど新しいムーブメントもあります。そこで、今回の記事は腕時計のムーブメントの種類を簡単に紹介します。
機械式とは?
ムーブメントは腕時計を動かす重要な機関の名称です。その種類はゼンマイの力で動く機械式、電池を動力とするクォーツ式と大きく2つに分けることができます。機械式ムーブメントは手巻きと自動巻きで分けることができ、特徴はそれぞれ名前の通りです。クオーツ式に比べると繊細なため着用する際には注意が必要ですが、機械式腕時計の大きなメリットとしては上手に使えば数十年使い続けられることにあります。手で作り出すことを前提としているため、多くのものが修理することができますし電池交換の必要もありません。ただし前述のとおり機械式腕時計は繊細なので大体3~5年ごとに1度メンテナンスが必要となります。また機械式はクォーツ式に比べると高額ですが、その分高いステイタスと趣味性を有しています。
自動巻きとは?
機械式時計の自動巻きは文字通り腕を動かすことに合わせて、ムーブメントに内蔵されているローターが回転することによってゼンマイが巻き上がり、時計が動くという仕組みになります。電池交換が必要ないのが特徴で電池切れもなく、手巻き式とは異なりゼンマイを巻かなくても腕に着用しているだけで時計が動きます。多くのブランドでは自動巻きが主流ですので、様々な選択肢を選ぶことができるのも魅力となっています。ただし、クォーツ式とは異なり置いておくと止まってしまいます。また、1日に数秒の誤差が出ることもあるため、時間にこだわる人には向いておらず、自動巻式機構が搭載されている分だけ大きく厚くなる傾向にあるのもデメリットです。
手巻きとは?
腕時計のムーブメントは、自動車で言えばエンジンのようなものです。ムーブメントには自動巻きと手巻きがあります。手巻きは現在では生産される数が少ないために希少性があり、レトロなイメージを持ちます。自動巻きに必要なローターがいらないため、外観を薄くできるのも特徴です。
電池がいらないので、定期的にゼンマイを巻けば使い続けられる魅力があります。ゼンマイを巻く時は、これ以上巻けないという状態までやらずに、少し余裕を持たせるぐらいにするのが故障を防ぐコツです。時間にズレが生じることもあるので時々確認や調整が必要です。
時計をファッションとして使いたい、趣味で収集したいという人にとって、手巻きはオシャレで価値あるものです。
クォーツとは?
クオーツとは、水晶のことです。時計の針は驚異的な速さで振動しているのですが、速すぎるとゼンマイが止まってしまいます。そこで、クオーツが注目されるようになりました。この水晶が時計に使われることで、時計の針が正確かつ一定のリズムを刻めるようになるのです。クオーツ式の時計にはメリットもあればデメリットもあります。メリットとしては、上述の通り針に正確性を与えることから、誤差が生じたとしても10万年に1秒程度のものだと言われています。また、クオーツ時計は価格が比較的低く設定されてもいます。一方でデメリットとしては、長期間使用できない点が挙げられます。クオーツを搭載した時計の部品にはプラスチックが使われるため、強度が強くないのです。
スプリングドライブとは?
スプリングドライブは機械式時計とクオーツ式時計の良いところを取り入れた新しい方式のムーブメントで、セイコーが開発しました。時計が動くためには動力と制御システムが重要な要素となります。スプリングドライブはぜんまいがほどける力を動力とします。これは機械式時計に用いられているものです。制御システムにはクオーツ式時計に使われているIC・水晶振動子の電気信号を利用しています。スプリングドライブのために生み出されたトライシンクロレギュレーターというシステムが、ぜんまいがほどける力に干渉することで正確な時間を表示できる仕組みとなっています。初のスプリングドライブムーブメントである「9R6シリーズ」は2004年に発表されました。
ソーラー
ソーラー式の腕時計は、内部に太陽光によって充電される電池が組み込まれています。多くの場合、文字盤の下部に小型のソーラーパネルがあるので、使いながら充電することが可能です。使用されている電池は使い捨てではないので交換作業の手間がかからない利点があります。太陽光以外にも室内照明の光で充電することができるので、明るい場所で使用していれば電池切れで止まることはほぼありません。電池についても光に当たると自動的に充電される仕組みであることから耐久性が高く、丁寧に扱えば基本的には交換の必要はありません。ほとんどの場合で常に電力が十分に蓄積された状態であることから、使用中に時計の針が遅くなってしまう不具合が滅多に起きないのもソーラー式ならではの特徴になります。
オートクオーツ
オートクオーツとは、セイコーが1980年代に開発した自動発電クオーツです。キネティックと呼ばれることもあります。時計内部に発電機が入っていて、腕の動きでローターが回転することで発電できる仕組みです。その電気を蓄電池に蓄えて時計を動かしています。時間を調整するために、水晶振動子を使用しているところはクオーツと同じです。時刻の日差が0.01秒から0.02秒と精度が高く、蓄電式の乾電池を使用しているため交換する必要もほぼありません。ただし、複雑な設計をしているため街の時計屋さんでは修理ができないことが多く、万が一壊れてしまった場合はメーカーに送る必要があります。また、長い期間放置していると電池が劣化してしまうので、こまめに身につけることが大切です。
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