グランドセイコー 9R スプリングドライブ 腕時計

セイコーといえば、言わずと知れた国産時計メーカーであり、家庭用、業務用、競技用などのあらゆる時計を製造しています。学校や公園、駅などの時計で「SEIKO」の文字を一度は見たことがあるのではないでしょうか。そのセイコーはもちろんたくさんの腕時計を製造していますが、その最高峰に位置するのがグランドセイコーといわれるモデルです。ロレックスやオメガも非常に有名な高級腕時計ですが、時計が好きな人の間では、グランドセイコーもそれに匹敵もしくは超越するほど高い評価を受ける素晴らしい腕時計です。そのグランドセイコーの中でも、日本の高い技術の結晶である9Rムーブメントを採用したスプリングドライブをご紹介します。

・セイコーの技術の結晶9Rムーブメント

グランドセイコーにもいくつかの種類があります。大きく分けると、クォーツ式、機械式、そしてスプリングドライブ式の3つがあります。その中でもセイコーの高い技術をもって開発された独自のシステムがスプリングドライブ式です。クォーツ式は、電池の電圧で水晶体を振動させ、その振動で秒針を駆動させています。水晶体の振動が大変正確に時を刻むことから、クォーツ式は安価ながらも高い精度を誇ります。対照的に機械式は、巻き上げたゼンマイのほどける力を使って時計内部のたくさんの歯車などを回し、ちょうどいい回転に調整して秒針を駆動しています。ただしゼンマイのほどける力にはバラつきがあったり、気温によって機械の金属が膨張あるいは収縮して、精度に変化が生じてしまいます。この精度をどれだけ高められるかが腕時計メーカーの技術の見せどころですが、それには限界もあります。この双方の仕組みのメリットを組み合わせて、デメリットを取り除いた夢の機構こそ、スプリングドライブ式です。スプリングドライブ式のモデルは、ムーブメントという腕時計の心臓部の品番に9Rという名前が入ることで見分けることができます。

・スプリングドライブ式の素晴らしさ

前述の通り、スプリングドライブ式はクォーツ式と機械式を融合させた機構です。まず機械式で用いられる、ゼンマイがほどける力を使って、発電を行います。その発電された電気を使ってクォーツ式に用いられる水晶体を振動させます。その振動を使って秒針を駆動するのです。クォーツ式は正確な反面、いずれ電池の交換が必要という欠点があり、機械式は電池が不要な反面、時間の正確性に限界があるという欠点がありました。しかしスプリングドライブ式は時計内部で発電を行うので、電池が不要です。そして水晶体の正確な振動を用いるので、刻む時間も大変正確です。双方の仕組みのメリットだけを取り出した、まさに夢の機構といえるでしょう。 スプリングドライブ式は秒針の動きも大変魅力的です。クォーツ式はカチッカチッと1秒ずつ時を刻むのに対し、機械式はチッチッチッと1秒間に5～6回の細かい振動をしながら時を刻んでいます。スプリングドライブ式はそのどちらでもなく、スーッと滑らかな運針を見せます。グランドセイコーのデザインはどれもシンプルですが、この運針を見れば一目でセイコーの誇るスプリングドライブ式であることが分かります。

・ 突き詰めればグランドセイコー9Rスプリングドライブ

高級腕時計は数多くありますが、ブランドによってはビジネスの場面や冠婚葬祭には似つかわしくないモデルも存在します。グランドセイコーは大変シンプルかつ高級感にあふれたデザインですので、どんなシーンにもマッチする腕時計です。そしてスプリングドライブ式の9Rムーブメントは電池切れを起こすことなく、誤差も大変少ないので、仕事の出来る社会人には大変理想的な腕時計です。海外の高級腕時計も素敵ですが、日本の高い技術力の結晶であるグランドセイコー9Rスプリングドライブも大変素敵で素晴らしい腕時計です。